人工臓器
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熱交換器を内蔵したポリプロピレン中空糸型人工肺の検討
成味 純須磨 幸蔵竹内 靖夫井上 健治城間 賢二小山 雄次西山 清敬金子 秀実小塚 裕辻 隆之長谷川 博
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1984 年 13 巻 1 号 p. 572-575

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抄録

多孔質ポリプロピレン中空糸型入工肺にステンレススチールパイプ製熱交換器を内蔵した膜面積1.6, 3.3, 5.4m2の3種類の人工肺の性能を検討した。
162例の開心術に用いたところそのガス交換能はいずれの肺もV/Qが0.4~0.6で送血側酸素分圧は400mmHg以上. 炭酸ガス分圧は30mHg以下と良好であった。また圧力損失も平均143mHgと低値であった。
熱交換器自体は熱効率係数も高値ですぐれた性能を有していた。しかし本人工肺を脱血側で使用する際にはリザーバーなどの影響で送血側血液温変化曲線の時定数は人工肺流出部血液温変化曲線の時定数の1.5±0.3倍遅れるため復温時に比較的急速に加温せねばならないことがあり臨床上復温時間は遅れず体外循環に大きな影響を与えなかったが考慮すべき問題であると考えられた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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