人工臓器
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熱交換器内蔵型シリコンホロファイバー膜型人工肺の開発
石井 良幸田野井 均岡崎 俊典大森 一光中岡 康篠原 裕希名取 宏瀬在 幸安中西 光桑名 克之井上 政昭青木 利三郎
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1984 年 13 巻 1 号 p. 576-578

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抄録

シリコンホロファイバー膜型人工肺はガス交換能に優れ, 血液成分に及ぼす影響も少なく開心術のみならず補助循環にも応用出来る優秀な膜型人工肺であり現在まで改良を重ね報告して来た。現在多用されている気泡型人工肺は熱交換器内蔵型が一般的でありFilter及びリザーバーの役目も兼ねるなど操作構造の機能性からみれば膜型人工肺よりも優れている。しかし高令者, 重症々例が増加し, より生理的な条件での体外循環が必要となり, さらにECMOの如く補助循環として体外循環を行なうには膜型人工肺は欠くべからざるものである。我々は今回ブラウンハリソン型熱交換器を内蔵したSHOを開発し10例に臨床応用し従来のSHOと比較した。その結果両者にはガス交換能, 血小板数, 血漿遊離ヘモグロビン値に有意の差はなく, 熱交換率においても従来使用のdisposable熱交換器よりも優れた熱効率を示し, compactとなり操作性も向上した。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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