抄録
悪性腫瘍に対する温熱療法時の宿主免疫能の検討を最終目的として, 正常ヒトリンパ球に対する温熱の影響を検討した。正常ヒトリンパ球を37℃, 41.5℃のwater bath内で, 10, 30, 60, 120, 180分間の加温後, リンパ球のviabilityならびにPHA刺激幼若化反応およびMLC反応の3H-thymidine uptakeを測定した。
41.5℃加温群では, いずれもやや低下傾向を示したが, 有意差は認められず, 180分までの加温によっては, 正常ヒトリンパ球は温熱の影響をほとんど受けないという結果を得た。
しかしながら, 個々のデータ中には, 明らかな増強傾向を示すものもあり, 個体差があることが示唆された。これらの個体に温熱療法を施行することは有利であり, 抗腫瘍効果が大きくなると期待された。