人工臓器
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遠心ポンプによる実験的体外循環
無拍動流モードと拍動流モードとの比較検討
合田 俊宏鵜沢 茂樹竹田 治土松倉 裕美田辺 達三
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1984 年 13 巻 5 号 p. 1393-1396

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抄録
遠心式ポンプであるBio-pumpに内蔵された拍動流モードの操作性, 有用性を検討するため成犬にて無拍動流モードと拍動流モードの体外循環を行ない, 両者の血行動態, 血液成分, 血小板機能および各種代謝に及ぼす影響を比較検討した. 拍動流モードではポンプ回転数は最低1,600回/分から最高2,300回/分に周期的に変動し, 30~50mmHgの脈圧を得た. 両モードとも, 2時間の体外循環中は十分なポンプ機能を維持することができ, 赤血球と血小板の破壊は従来のローラーポンプよりも少なかった. Bio-pumpによる拍動流体外循環は動脈圧波形が非生理的なsine curve状で, 拍動数に制限があるなどの問題点はあるが, その手技が非常に容易かつ簡便で十分な脈圧を発生することができ, 臨床応用上, 有利なポンプと考えられる.
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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