2024 年 80 巻 9 号 論文ID: 23-00206
都市交通サービスへの需要を容量に見合うよう制御する方法の一つにサービス利用権の予約制度が存在する.しかし,予約システムを介さずサービスを利用しようとする突発的な需要に対してはこの制度は機能せず,一方で予約制度の全面的な導入によりこれらの需要を排除することは社会的に望ましくない.本稿は,交通サービスを定常的に利用する主体と突発的に利用する主体が混在する状況において,超過需要を抑制しつつ交通システム全体の効率性を改善する新たな予約制度を提案する.さらにこの制度をオークション市場と組み合わせて運用することで,適切な利用権価格が設定され社会的余剰が期待的に最大化されるサービス配分が実現することを示す.