人工臓器
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遠心分離法による血中PFC(perfluorochemicals)emulsionの除去効率に関する基礎的検討
安達 盛次福田 幸人野田 裕幸岩田 博夫中谷 武嗣松田 武久高野 久輝阿久津 哲三川島 康生
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1985 年 14 巻 2 号 p. 1018-1021

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抄録
血液中に混入せる人工血液-PFC乳剤の遠心分離法による除去効率の改善を目的として, 除去効率に及ぼす血中PFC濃度の影響を検討した。血中ヘモグロビン濃度1.2~3.9g/dl, PFC濃度4.4, 8.8, 13.1, 17.5, 21.9, 26.3, 30.6g/dlの血液を遠心力1800Gで10分間遠心分離した結果, 回収された血液中のPFC残留量は, 血中PFC濃度13.1~17.5g/dlにおいて最大となり, それより高濃度および低濃度域ほど少量となった。血中PFC除去率は, 血中PFC濃度が13.1g/dlの時最低となり, これより高濃度および低濃度域ほど高値となった。特に血中PFC濃度26.3g/dl以上においては, PFC除去率は95%以上を示した。連続遠心分離装置, IBM2997を用いてPFC濃度14および25g/dlの血液を遠心分離した結果, 回収血液中PFC残留量は前者において高く, PFC除去率は後者において高かった。適切な血中PFC濃度において行なう事により, 遠心分離法の効率を向上し得る事が示唆された。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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