人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
14 巻 , 2 号
選択された号の論文の151件中1~50を表示しています
  • 佐中 孜
    1985 年 14 巻 2 号 p. 517
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 川島 康生
    1985 年 14 巻 2 号 p. 519-523
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    大阪大学第一外科における過去28年の体外循環の研究は, 常温全血体外循環から今日の超低体温希釈体外循環にいたる病態生理の解明であった。常温体外循環における至適灌流量は, 体外循環中の末梢血管抵抗に着目しこれより快定することが出来た。その後, 体外循環中の血流配分の研究を実験的及び臨床的に進め, 特に臨床での上下大静脈還流量比の体表面積別検討を行った。さらに血液希釈の安全限界についても検討し, 常温ではHt20%であることを明らかにした。また体外循環中の内分泌よりみた病態生理の研究も進めることが出来た。最近は超低体温体外循環を用いる機会が多いが, その至適灌流量についても検討し, 20℃超低体温低流量灌流法での動物実験からは, 灌流量は60と30ml/min/kgの間にcritical pointがあることを示した。臨床においては酸素消費の面より超低体温体外循環の至適灌流量の決定を試みている。種々の条件下での体外循環の病態生理とその至適灌流量についての研究の概要を述べた。
  • 堀原 一
    1985 年 14 巻 2 号 p. 524-525
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 中村 和夫
    1985 年 14 巻 2 号 p. 526
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 小柳 仁, 新岡 俊治, 沢谷 修, 中野 清治, 福地 晋治, 今村 栄三郎, 遠藤 真弘, 橋本 明政, 林 久恵, 山口 いずみ, 広 ...
    1985 年 14 巻 2 号 p. 527-530
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    人工弁による弁機能再建の外科を考慮せずに、弁膜症の治療体系を述べることは、すでに不可能である。現在、循環器病専門医および心臓外科医は、人工弁置換の適応のある患者と家族に、社会復痛を前提として手術の説明をし、患者もそれを当然のことと受けとめて手術をうけている。そこたは人工弁置換手術の手術死亡率の著しい低下と人工弁置換術後の患者の「治癒の質」の向上とがある。
    1964年1月より人工弁置換手術を開始し、1983年12月までの20年間に1628例の弁置換手術を施行した。20年間を通じた初回手術死亡率は14.8%, 再弁置換死亡率9.8%であるが、最近3年間は初回手術お3.0%, 再弁置換2.0%にまで低下し、人工弁置換術はきわめて安全に施行されている。10年の経験を積んだ人工弁外来を通じて、そめ治癒の質的検討と、社会復帰の状況を報告する。
  • 武内 敦郎, 佐々木 進次郎, 大関 道麿, 西本 孝, 柿本 祥太郎, 福本 仁志
    1985 年 14 巻 2 号 p. 531-534
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    徐脈性不整脈に対するペースメーカー治療は、最近の工学的進歩により故障の減少と電池の長寿命化にともない益々発展する傾向にある。発信器の性能の安定した最近10年の植込例の生存率は、完全房室ブロック群と洞不全群が夫々74%と66%で、60才以上の高令者が7割をこえることを考慮すると好成績と言える。植込後両群ともに若干の退職者があり、植込後の復職率は夫々70.9%と60.0%である。アンケート調査の結果生活状況は発症前に復したものが夫々85.1%と84.7%であり、退職の理由は症状の残存によるよりも、心理的要因が強いと考えられた。患者の自己評価では生理的ペーシシグ例が心室ペーシング例に比べて必ずしも生活状態を大きく改善しているとは言えないが、運動耐容能を客観的にみると心室ペーシングで50才代の低下が著しく、この世代には出来るだけDDDタイプの生理的ペーシングを行って、心拍出量と運動耐容量の増加をはかるべきことを示唆された。
  • 田辺 達三, 橋本 正人, 酒井 圭輔, 安田 慶秀, 松波 己, 佐久間 まこと
    1985 年 14 巻 2 号 p. 535-537
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    今日, 人工血管は大血管の再建手術に広く用いられているが, 再建移植症例の遠隔予後と社会復帰の状況を検討するため, 主として大動脈瘤手術例について外来受診, アンケートにて調査した。人工血管障害は人工血管劣化例はなく, 吻合部障害例が少ないが認められ, 器質化治癒の一層良好な人工血管開発と防止補強手段の必要性が認められた。合併臓器障害や手術併発障害については高令者で全身臓器障害を伴ないやすいため, 術前後の管理が主要であるが, 手術早期成績の向上とともに遠隔時におけるこれらの障害の軽減も認められた。高令者が対象となるため大血管に対する人工血管移植例の社会復帰にはこれらの問題点があるが, 手術成績の向上とともに社会復帰を考慮した管理の重要性が今後とも強調的段階となりつつある。
  • 塩野 谷恵彦, 松原 純一, 太田 敬, 桜井 恒久, 山田 育男
    1985 年 14 巻 2 号 p. 538-541
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    血行再建術の主目的の1つは患者の速やかな社会復帰を図ることにある。1975年1月から1983年12月までの期間に, 名古屋大学分院外科において278名が, 閉塞性動脈硬化症, Buerger病, 腹部大動脈瘤のために, 下肢の血行再建術をうけた(男250名, 女28名)。
    手術死亡6例と晩期死亡(心筋梗塞, 脳血管障害, 癌など)29例があった。1984年9月の時点における患者の社会復帰の状態をアンケート調査および外来診察で確認しえた182名中の111名(61%)が筋肉労働, 事務的労働, 家事に従事していた。
    下肢動脈慢性閉塞症や腹部大動脈瘤に対する血行再建術後の患者の社会復帰は, 64才以下の群と65才以上の群とで比較すると若年者群に有意に多くみられたが, 血行再建術の成否(グラフトの開存, 閉塞)や使用した移植血管の種類(ダクロン, 自家静脈)とは無関係であった。
  • 小高 通夫, 添田 耕司, 小林 弘忠, 嶋田 俊恒, 佐藤 博
    1985 年 14 巻 2 号 p. 542-545
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    我々は1971年7月から1984年6月まで当施設で慢性維持透析に導入した519例について慢性糸球体腎炎(CGN); 腎孟腎炎等のCGNを除く腎主病変疾患; 糖尿病性腎症(DN); SLE等のDNを除く系統的疾患の4群に分け, それぞれ社会復帰について検討すると同時に, 全国統計と比較し報告した。導入時平均年令は, 全疾患43才; CGN40才, DN55才であり1977年よりDN等の系統凶疾患が増加し, 1983年ではDNは導入疾患の21%を占めていた。社会復帰率は全疾患74%, CGN83%, DN39%であった。1984年10月現在, 透析を施行している315例の社会復帰率は84%であり, 夜間透析では100%(内, DN1例), 昼間透析では全疾患68%; OGN80%, DN30%であった。慢性維持透析の社会復帰促進のためには, 夜間透析施設の拡充とともに, 系統的疾患に対する治療法の確立が望まれており, 心脈管系の合併症や腎性骨異栄養症に対する対策も急を要している。
  • 岡田 正, 高木 洋治, 板倉 丈夫
    1985 年 14 巻 2 号 p. 546-550
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    腸管機能の廃絶した患者において, 静脈栄養法は消化吸収能を兼ね備えた腸管に代わるべき「人工腸管」としての役割を果にしている。このような患者における家庭復帰・社会復帰を目ざした人工腸管システムの開発は多大の福音をもたらした。われわれは人工臓器の必要条件とされる安全性・確実性・携帯性・簡便性を考慮した人工腸管システムを独自に開発した。このシステムは輸液バッグ, 輸液回路, 持続注入ポンプ, ジャケットからなっている. そして一定の患者を選び充分な教育を行った後に退院せしめ家庭復帰・社会復帰を試みた。都合8名の患者に4~69カ月平均約30ヵ月行なった。その結果合併症副作用は極めて少く家庭復帰・職場復帰の点でもほぼ満足すべき結果を得た。
  • 山室 隆夫
    1985 年 14 巻 2 号 p. 551-553
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    患者の日常生活動作を改善するために, 或る関節の人工関節置換術が必要であると判断される場合には, どの関節であろうとも人工関節が応用できるようになった。そして, 手術により関節の無痛性, 可動性, 支持性がえられるようになったので, 著るしい関節破壊をきたした関節疾患を有する患者の社会復帰は画期的に促進されている。特に, 股関節, 膝関節, 手指関節の人工関節置換術は必要度も高く効果も大きい。しかし, 若年齢層の患者に対して用いると, 人工関節の耐用年数に10~15年という限度があるので将来に問題を残す。耐用年数を長くするために, 材料の改良や手術法の改善が試みられている。また, 悪性関節リウマチ, SLE, 強直性脊椎炎などは全身性疾患であるので, 多関節置換術を行なっても患者の社会復帰は不十分であり, 原疾患者に対する綜合的な対策が望まれる。
  • 石井 淳一, 太田 和夫
    1985 年 14 巻 2 号 p. 554-555
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 高野 照夫, 田中 啓治, 原田 厚, 山内 茂生, 池下 正敏, 田中 茂夫, 山手 昇, 庄司 佑
    1985 年 14 巻 2 号 p. 556-558
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    【目的】急性心筋梗塞にょる心原性ショックに対するIABPの有用性と限界を明らかにする。【対象と方法】心原性ショック89例のうちIABP治療(57例)と内科治療(32例)を対象とし, 血行動態はSwan-Ganzカテーテル法で調べた。【結果】(1) 急性期治療成績, IABP治療57例のうち18例(31.6%)がショックから回復, 生存した。内科治療32例中3例(9.4%)で, 生存率はIABP治療に比べ有意に低かった。(2) 血行動態はIABP後3時間から改善し, 24時間で最良となった。(3) 生存群と死亡群の血行動態の比較, 生存群で一回心拍出係数と心仕事係数は3~60時間, IABP終了後まで死亡群に比べ, 有意の高値。心係数は3, 24, 60時間後, 肺毛細管圧は60時間とIABP後に両群間で有意差を示した。【結語】(1) IABPは内科治療より有力な治療手段である。(2) IABP後3時間の一回心拍出係数, また60時間後のそれと肺毛細管圧の組み合せは予後を知るによい指標となる。
  • 岡田 昌義, 松田 昌三, 小沢 修一, 中村 和夫, 山本 信一郎, 鶴田 宏明, 小川 恭一
    1985 年 14 巻 2 号 p. 559-566
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    現在までに教室及び関連病院において92症例にIABPが実施された。その内訳は心筋梗塞後の心原性ショック37例(I群), 開心術後のショック並びにLOS51例(II群), 不安定狭心症4例(III群)であった。症例の年齢は34~82歳(平均62歳), IABPの実施時間は1~408時間(平均70時間)であった。I群では18例(48.6%)を, II群では36例(70.5%), III群では全例をIABPから離脱することができた。この成績の向上は, IABPの有効性に加えてタイミングのよい緊急手術がその要因であった。また, IABPによっても効果のえられなかったII群の51例中10例ではIABPに加えて膜型人工肺を用いるV-Abypass(ECMO)を実施し, うち6例を補助循環からの離脱に成功を収めたが, 重症の多臓器障害(MOF)例が多く2例で長期生存をえた。IABPが無効な症例でもV-Abypassは有効であったが, それもbypass flowが1.5l/min以下の場合であって, それ以上の補助が心要な場合には, 人工心臓を用いる強力な補助循環が必須と考えられた。一方MOFの予防と対策も重要な課題であった。
  • 塩野 元美, 宮本 晃, 北村 信三, 進藤 正二, 秋山 謙次, 折目 由起彦, 滝戸 直人, 並木 義夫, 瀬在 幸安, 渥美 和彦, ...
    1985 年 14 巻 2 号 p. 567-570
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    心原性ショック例, 体外循環離脱目的および術後低拍出量症候群などに対し, 計101例で大動脈内バルーンパンピング法を施行し, その効果と限界に関し, 若干の知見を得た。
    すなわち開心術中, 術後の使用では, 心係数1.84l/min/m2以下, 肺動脈懊入圧25mmHg以上, CVP25cmH2O以上などき示す症例では, IABPによる補助効果は期待しがたく, さらに有効な補助循環手段が必要と思われた。
    また, 開心術後2例において, IABP無効の症例で, 補助人工心臓の使用を経験し, いずれも著効を示し, システムからの離脱に成功したものの, 長期生存は得られておらず, 今後の基礎的ならびに臨床的進歩が期待されるものと思われた。
  • 高野 久輝, 藤田 毅, 中谷 武嗣, 妙中 義之, 康 義治, 安達 盛次, 田中 一彦, 平盛 勝彦, 曲直 部寿夫
    1985 年 14 巻 2 号 p. 571-575
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    当施設における過去7年間の補助循環適用症例244症例をretrospectiveに分析し, IABP適用の再評価とより効果的な使用法の検討, IABPの限界を越えた重症例に対する補助人工心臓(VAD)の適用, おびVADを含めた治療体系の確立を試みた。IABPの治療的適用では, 心筋梗塞後心原性ショックは極めて不良であったが, 体外循環離脱困難および術後LOSの成績は平均以上であった。治療兼予防, 開心術症例に対する予防的適用の成績は極めて良好であったが, このcriteriaにありながら適用しなかった症例には, 後刻重症心不全の発生をみた。又, IABPの限界を越えた術後LOS, および中隔穿孔を合併した急性心筋梗塞にVADを適用し, 回復せしめ得た。VADが極めて強力な補助手段であることを確認した。以上の成績を基にして, 重症心不全に対するIABPおよびVADの適用病態と適用基準等治療体系の確立をおこなった。補助循環法による急性重症心不全の治療指針の一助としたい。
  • 松田 暉, 広瀬 一, 中埜 粛, 白倉 良太, 榊原 哲夫, 大谷 正勝, 金香 充範, 西垣 恭一, 笹子 佳門, 大久保 修和, 野村 ...
    1985 年 14 巻 2 号 p. 576-579
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    開心術々後の重症心不全に対するV-Aバイパス法(VAB)は, 比較的容易に行える反面, 出血, 感染といった問題が多く, 左室補助人工心臓の出現と共にその臨床的意義の再検討が必要となった。過去3年間におけるVAB施行例は16例で, 先天性心疾患10例, 後天性心疾患6例である。適応よりみると, 体外循環離脱不能(I群)が5例, 術後早期のLOSないし心停止(II-a)が5例, 他の術後心停止後の蘇生(II-b)が6例であった。離脱に成功したのは16例中3例でI群の1例(13時間)とII-a群の2例(68時間と34時間)であった。VAB時間よりみると1.5l/min/m2以上の高流量を要した時間が48時間以内のもので離脱が可能であった。VAB後の血中CPK-MB値では, 上昇傾向を示すものでは離脱は不可能であった。出血の問題を克服するため, ヘパリンの代りにPGI2-analogueの応用を実験的に試みた。今回の検討より比較的短時間(24-48時間)で心機能の回復が予想されるものでは, VABの適応があり, より長期を要するものは合併症も多く救命はより困難となると考えられた。
  • 阿久津 哲造, 堀内 藤吾
    1985 年 14 巻 2 号 p. 580
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 山本 信一郎, 小川 恭一, 鶴田 宏明, 中尾 守次, 麻田 達郎, 良原 久雄, 樋上 哲哉, 石橋 悦次, 山崎 富生
    1985 年 14 巻 2 号 p. 581-585
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    開心術及び大血管手術259例中, 心, 腎, 肝, 脳, 肺及び血液凝固系障害のうち3臓器不全以上を伴った多臓器不全22例を経験した。VAバイパスを4例に施行し3例は離脱, 1例は生存した。IABPを10例に施行し8例は離脱し3例は生存した。血液透析(HD)は13例に計112回施行し5例は離脱, 4例は生存した。血漿交換(PH)は5例に計10回施行し1例を救命した。HFVを3例に施行し2例は離脱, 1例は生存した。つまり我々はMOFに陥った22症例中8例(36.3%)を救命し得た。
    LOSに引き続くMOFにおいて81.8%の症例は二次的に腎や肝が障害され, 11例(50%)は肝腎ともに障害された。尚, 22例中18例(81.6%)にDICを合併した。MOFに感染症を併発すると全身状態が一挙に悪化し死に至ることから全身栄養管理及び感染予防も大切であるが, HDやPEによる補助を行う場合もMOFの一環として病態をとらえ, 血行動態に左右されることなく早期に開始時期を決定することが重要である。
  • 公文 啓二, 田中 一彦, 中島 伸之, 内藤 泰顕, 藤田 毅
    1985 年 14 巻 2 号 p. 586-589
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    多臓器不全(MOF)の治療として血漿交換(PE)を5-6臓器不全に陥った患者16例に施行し, その効果・意義などについて検討した。心臓血管術後のMOFの誘因は低心拍出量症候群(LOS)が最も多く16例中8例を占め, まず呼吸・腎不全を同時あるいは連続的に併発し, 次いで敗血症や心停止等の増悪因子が加わり他の臓器障害が進展していた。その他のMOF誘発あるいは増悪因子は, 敗血症性ショック・心停止・溶血であった。PEによってビリルビン・過酸過脂質・胆汁酸・FDP・逸脱酵素・遊離ヘモグロビンなどの組織毒性物質の除去およびAntithrombin III・凝固因子・補体などの欠乏物質の補充ができた。これらによって, PE後投与カテコラミンに対する反応の向上, Respiratory indexの低下, 尿量増加・意識レベルの向上・DIC改善などの諸臓器機能の改善をえた。治療成績は, 3例がMOFから回復し, 内2例は社会復帰しているが, 1例は突発的な脳出血で失った。以上より, MOFの治療手段としてPEの意義は大である。
  • 小玉 正智, 谷 徹, 花沢 一芳, 岡 藤太郎, 吉岡 豊一, 遠藤 善裕
    1985 年 14 巻 2 号 p. 590-594
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    腹部外科手術を受けた613例中、多臓器不全(MOF)症例は42例(7%)であつた。90%に合併していた肝障害のうち、高ヒ血症や肝不全に対しては血漿交換(PE)や全血灌流法(DHP)に対処した。肝機能が、ほとんど廃絶した症例でも合併症が無いと、生命および不全状態が維持可能であつた。しかし感染(28/42例)や出血(16/42例)が合併すると腎不全を必頭としたMOFに進展し予後が極めて悪くなり、従来のPEのみでは成積の向上は困難と考えられた。そこで出血例に対してFUT-175をPE時に抗凝固剤として導入臨床上有用なことを示した。エンドトキシン血症(Et)に対しポリミキシン固定化繊維材料(PMX-F)を開発した。PMX-Fはin vitroにてEt液の膿度を下げ、マウス致死率を著しぐ改善した。また実験的Et血症犬でも対象群の生存率12.5%に対し83%の成積を示した。またグラム陰性菌に抗菌性も有し、将来肝障害患者からのMOFへの進展阻止に他療法と合せ有望な材料と考えた。
  • 岸本 武利, 山上 征二, 吉原 秀高, 加藤 禎一, 栗田 僚一, 飯盛 宏記, 田中 寛, 前川 たかし, 前川 正信
    1985 年 14 巻 2 号 p. 595-598
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    急性腎不全を中心としたMOF4症例を含む10症例にContinuous arteriovenous hemofiltration(CAVH)を施行した。フィルターとしてはAmicon社製Diafilter-20®(Polysolfun膜HFAK, 膜面積0.25m2)を使用した。延779時間のCAVH治療を行い1個のフィルターの平均使用時間は60時間でMOF症例に於ける平均UFRは410ml/hrであった。CAVHの治療効果は, 10症例中2例は感染症で死亡した。MOFでは4例中1例が死亡し, 他は回復した。そして以下のCAVHの特徴を見い出した。
    (1) 溢水ならびにその分布異常の是正に優れ多量の無症候除水が可能 (2) 体外循環血液量が少く心循環系への負担輝少い (3) 溶質除去分画が腎のそれに相似 (4) 体液の恒常性保持に優れる (5) 特殊な器具装置を必要とせず操作が簡単で管理が容易 (6) 従って多臓器不全患者のICUの管理に最適である。
  • 平澤 博之, 小高 通夫, 小林 弘忠, 添田 耕司, 小林 進, 室谷 典義, 伊藤 靖, 佐藤 博
    1985 年 14 巻 2 号 p. 599-602
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    MOFの管理における血液浄化法は, 種々の面で有効である。すなわち機能不全臓器へのartificial support, 重症感染症に起因せるtoxemiaへの対策, 自己防御機構の賦活・保持の手段, 原因物質の体内から除去手段としての有効である。一方現在臨床応用されている5種の血液浄化法(血液透析, 腹膜灌流, 血液吸着, 血液濾過, 血漿交換)の能力には各々特徴があり, MOFの治療においては, それらをふまえた上で, 施行する血液浄化法を選択すべきである。我々は1978年7月から1984年9月までの間に急性肝不全を初発症状とするMOF21例, 急性腎不全を初発症状とするMOF56例, 急性薬物中毒によるMOF20例の計97例を経験し, 54例56%を救命した。これらの症例に対し, 血液透析221回, 血液吸着39回, 血液吸着十血液透析313回, 血液交換110回, 計683回の血液浄化法を施行した。これらの血液浄化法は人工腎, 人工的RESとしてはほゞ満足すべき効果をあげたが, 人工肝としては, 未だ不十分であった。
  • 前川 正信, 藤田 毅
    1985 年 14 巻 2 号 p. 603
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 浅沼 義博, 小山 研二, 松原 修二, 大内 清昭, 岡部 健二, 山内 英生, 佐藤 寿雄, 能勢 之彦
    1985 年 14 巻 2 号 p. 604-607
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    肝疾患28例, 免疫疾患26例, 膵疾患2例に対し血漿分離法を基盤とした各種血液浄化法をおこない, 以下の成績を得た。1) 肝再生が期待できる肝硬変非合併症例の術後に発生した肝不全に対しては, 血漿交換は有効である。2) 慢性肝内胆汁うっ滞症に対しては, 掻痒感の消失など臨床症状の改善は得られるものの, 病勢の進行をとめることは難しい。3) 免疫疾患に対する血漿交換は, 免疫抑制剤などの薬物療法を補助する強力な一手段である。4) 急性膵炎における血漿交換は, 血中に逸脱した蛋白分解酵素を除去する点で有効であり, 死亡率の改善が期待できる。
  • 大城 孟, 森 武貞, 上村 八尋, 阪本 昇
    1985 年 14 巻 2 号 p. 608-611
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    担体に固定化されたHBs抗体はFabを介してHBs抗原と結合するのみならず, HBs抗原でおおわれたDane粒子(B型肝炎ウイルス)とも結合することが考えられる。そこでわれわれはHBs抗体固定化フィルターを試作, 基礎実験を行い次の成績を得た。
    1. 固定化HBs抗体はHBs抗原を特異的に吸着した。またDane粒子を吸着・除去した。
    2. 同フィルターの吸着・除去能は高抗体価のHBs抗体を固定することにより増大した。
    3. 同フィルターの吸着・除去能は線維にGantrez処理またはSMA処理を施こすことにより増大した。
    以上の成績から, われわれはこのフィルターが輸血および輸血漿によるB型肝炎の予防に役立つものと考えるとともに, 理論的にどの程度のフィルターを試作すべきか考察した。なおこの原理および技術はその他の免疫吸着法にも巾広く利用されうるであろう。
  • 吉田 文直, 豊田 立身, 大林 祥悟, 成田 真康, 前田 憲志, 臼田 正恒, 新里 高弘, 鶴田 良成
    1985 年 14 巻 2 号 p. 612-615
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    我々は以前, 点滴用置換液を必要としない血液透析濾過法(Push/Pull HDF)を報告した。この方法ではhemofilter膜の小孔を約4分おきに300mlの透析液で逆洗するため, 治療の進行に伴って生じる膜の中分子量物質に対するsieving coefficientの低下を最小限にすることができる。したがって, この方法は中分子量物質の除去に関して, 膜の中分子量物質に対するsieving coefficientが治療の進行に伴って著しく低下する従来の濾過型人工腎より優れていると考えられる。
    今回, 我々は10名の長期透析患者の治療をPush/Pull HDFに切り換え, Push/Pull HDFの臨床的有効性を検討した。その結果, 10名中7名に貧血の有意の改善が認められ, 10名中7名に治療前血清リン濃度の有意の低下が認められた。このような個々の患者における傾向を返映して, 全患者についても貧血の有意の改善と治療前血清リン濃度の有意の低下が認められた。
  • 斎藤 明, 内藤 秀宗, 広畑 衛
    1985 年 14 巻 2 号 p. 616-619
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    分子量500から65,000までの物質の蓄積するような疾患の治療のために, 従来のフィルターよりもcut-off pointの高い3種類のフィルターを用いて血液濾過(HF)を行った。慢性腎不全(CRF)10例, 急性肝不全2例, 高ビリルビン血症1例, 悪性腫瘍2例, パラコート中毒1例を対象とした。CRFにはEVAL C-2(アルブミン阻止率83.8%)を用いたHDFを行い, 肝不全と悪性腫瘍例にはEVAL 1A(同じく66.5%)によるHFを行った。高ビリルビン血症, パラコート中毒には, EVAL 2A(同じく41.7%)を用いたHFを行った。CRFでは, 貧血, 掻痒症, 骨痛などの症状の改善がみられた。肝不全では昏睡の改善, 高ビリルビン血症ではビリルビン値の低下と症状の著しい改善が得られた。悪性腫瘍例では悪液質の改善と骨転移の痙痛の軽減が認められた。分子量500から65,000の物質の異常をきたす疾患には, 適性なcut-off pointのフィルターを用いて時間をかけたHFが最も有効な除去手段である。
  • 谷 徹, 岡 藤太郎, 花沢 一芳, 遠藤 善裕, 吉岡 豊一, 福谷 明直, 角田 富士男, 中根 佳宏, 小玉 正智
    1985 年 14 巻 2 号 p. 620-624
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    悪性腫瘍に対する治療として免疫抑制物質を除くだけでなく、不足物の補充も兼ねた血漿交換(PE)を晩期癌患者15例に行った。効果としてはPerformance statusの改善は確かで、かつ速かに起つた。in vitroにて二重口過血漿分離(DFPP)の2次膜を免疫抑制活性の処理液間の差で検討した。今までアルブミン以上の分子量域の分離にて明瞭な差がなかつたので今回EVAL-C膜にて行ったところ症例によつて中小分子域にも抑制物質の存在する事が判明し症例により除去する液が変ることになつた。またLPSを固定化した繊維により家兎Vx2腫瘍に対しDHP法による治療実験を行った。1回のDHP処置だけでも抗腫瘍効果は確認できたが、BCG感染処置を施行すると腫瘍縮少消失はより早く、顕著に認められた。今後晩期癌患者の治療にはPE、DFPPによりPerfomance statusを改善した後、LPS-Fによる免疫賦活療法や他の療法を追加し集学的療法とするのが良いと考える。
  • 松岡 順治, 阪上 賢一, 宮崎 雅史, 西岡 豊, 松永 琢也, 松本 剛昌, 戸田 耕太郎, 曽根 良幸, 淵本 定儀, 折田 薫三
    1985 年 14 巻 2 号 p. 625-630
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    担癌患者血清中の免疫抑制因子を血漿交換により除去することで。癌免疫化学療法の有効性を増強する試みがあるが. 血液製剤め不足により広く施行されるに至っていない。私共はこの見地より二重濾過膜血漿交換療法(DFPP)を行ないその有勅性を報告してきた。悪性腫瘍においては除去すべき免疫抑制物質が単一でなく, 有効な除去のためにはその特性を明らかにすることが必要である。私共の検討から, PHA反応抑制因子よりみた免疫抑制因子は高分子と低分子の2つの領域に存在しており, また株化継代細胞上清中に見出されたInterleukin-2阻害因子は低分子に存在しており, 今後その除去が課題となるべき重要な因子であると考えられた。以上の免疫抑制因子は高分子領域についてはDEPPが極めて有効で. 一方低分子領域についてはglass beadsによる吸着が可能であり, DEPPとglass beads columnを組み合わせることで, 有効な免疫抑制因子の除去が可能であり, 癌化学療法の有用な補助療法となると考えられた。
  • 水戸 廸郎, 阿岸 鉄三
    1985 年 14 巻 2 号 p. 631
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 浅野 献一, 新井 達太
    1985 年 14 巻 2 号 p. 632-633
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 野一色 泰晴
    1985 年 14 巻 2 号 p. 634-637
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    植え込み後の人工血管の治癒過程は血管壁損傷の治癒過程にも似ているが, それよりも血管壁創造の過程と考える方がふさわしく, そのたあ血管壁を構成する平滑筋細胞や内皮細胞の生体内培養の場とも言えよう。この特殊性を生かせば, 他の場では不可能と思われる研究も可能となってくる。例えば, 「ふくらむことのできる人工血管」と「のびることのできる人工血管」を用いてそれぞれの植え込み後の新生血管壁を検討した結果, 平滑筋細胞は血管壁にかかる張力の方向にその長軸を並べて規則正しく配列し, 一方内皮細胞は血管壁にかかる張力とは関係なく血流方向に配列することが判明した。このように, 人工血管は平滑筋細胞や内皮細胞の生理的条件下での良好な研究の場を提供している。また一方, 人工血管内面に新生する偽内膜(新生内膜)は, その内面を覆う内皮細胞が幼弱で, 物質代謝が旺盛であることから, 動脈硬化症を短期間に発生させることが可能である。そのたあ, 動脈硬化症発生機序の研究にも人工血管はまたとない場を提供している。
  • 村瀬 允也, 田中 稔, 野垣 英逸, 竹内 栄二, 末永 義人, 三枝 裕幸, 小川 邦泰, 新美 隆男, 吉田 勝彦, 阿部 稔雄, 佐 ...
    1985 年 14 巻 2 号 p. 638-641
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    ペースメーカー植込み術を必要とする徐脈性不整脈の症例では, 心拍数を一定にして, A-V間隔を変化させて, 心機能に及ぼす影響を検索することが可能である。洞不全症候群21例, 房室ブロック46例の生理的ペーシング施行症例を対照として, ペーシングモードの変更とA-V間隔の変化による心拍出量の変化について検討した。心拍出量は, 熱稀釈法, インピーダンス法にて測定し, 左室流入形態は, 超音波ドップラー法にて測定した。心房収縮の連係による関与は, 逆行性伝導のある症例では36~19%ない症例では25~14%であった。A-V間隔は, DVIでは150msec, VATでは100msecで最大心拍出量をしめしたが, 心房心室の収縮間隔は同様と考えられた。心房収縮の関与が大きい症例では, 心室ペーシング時に心拍出量の低下が著明となる。A-V間隔の延長による心拍出量低下の原因は, 高速流入時と心房収縮の重なりによる左室充満の低下, 左室収縮前期の僧帽弁位逆流などが考えられた。
  • 七里 元亮, 河盛 隆造, 山崎 義光
    1985 年 14 巻 2 号 p. 642-645
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    ブドウ糖センサ→インスリン分泌特性, 作用特性モデル→インスリン注入, をclosed-loopとした人工膵島の開発は, 糖尿病患者の最適制御を可能とした。この際, 生体機能により近似したモデルであれば, algorithmの適正なパラメータの選択, 入出力関係の解析により, black boxとした生体内部の状態変数の把握, 未知の機構の認知が可能となる。
    著者らが開発した人工膵島のresearch toolとしての適用により, 1)インスリン分泌特性と血糖制御特性, 2) グルカゴン分泌特性と血糖制御特性, 3) 糖尿病病態機序とグルカゴン分泌異常, 等が明らかとなった。これら得られた新知見を組み込むことにより, より高次の制御能を有する人工膵島の開発が可能になると考える。
  • 中島 正治, 藤正 巌, 井街 宏, 満淵 邦彦, 鎮西 恒雄, 阿部 裕輔, 塚越 茂, 渥美 和彦
    1985 年 14 巻 2 号 p. 646-649
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    人工心臓は血液ポンプ材料や, 駆動装置の改良により1年にも及ぶ長期生存が可能となってきているがその生存状態は必ずしも満足なものではなく, 右房圧の上昇や腹水の出現, 貧血, 低蛋白血症などの右心不全様状態を呈するものがしばしばみられる。血行動態上からは, 大動脈圧, 肺動脈圧, 左房圧, 左右心拍出量などはほぼ正常範囲にあり, いわゆる心不全の病像とは一致しない。拍出能力としてはほぼ充分な能力を持つ人工心臓による循環においてこのような一連の異常状態を生ずる原因としては, ポンプの制御に関連した循環反射, 体液性因子の関与などが考えられるが, これらの点における自然心臓の機能はいずれも現在充分には解明されておらず, 人工心臓の研究を通して明らかにされてゆかねばならないと考えられる。
  • 滝戸 直人, 藤正 巌, 井街 宏, 中島 正治, 満渕 邦彦, 木村 喜代二, 塚越 茂, 渥美 和彦, 宮本 晃
    1985 年 14 巻 2 号 p. 650-654
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    自然心臓ポンプ機能のみの代行を目的として設計された現行の完全人工心臓動物実験では, 1年近くの長期生存が得られているが, その生存状態は必ずしも生理的とは言い難い。拍動する自然心臓を持つ完全人工心臓群と, 自然心臓を切除あるいは細動状態にした完全人工心臓群を比較したところ, 面者では, 術後の甲状腺ホルモンの値に有意な差があることが認められた。さらに左房に対する電気刺激実施群との比較により, 自然心臓のEGGが交感神経系を介して甲状腺機能を賦活している可能性があることが推定された。さらに末梢循環不全が疑われる実験例でT3/T4の減少およびrT3/T4の増加がみられ, 末梢循環状態の指標としてT3/T4あるいはrT3/T4が有用であろうとの推測が得られた。
  • S. TAKATANI, T. TANAKA, S. FUKUDA, H. NODA, T. NAKATANI, S. ADACHI, H. ...
    1985 年 14 巻 2 号 p. 655-658
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    成山羊で心臓置換、循環維持及び制御の研究を行う目的で高性能空気駆動プッシャープレート型全人工心臓を開発した。このシステムの特徴はホールセンサと光センサの2個のセンサを内蔵しているところにある。ホールセンサは毎分拍出量のR算及びポンプストロークの制御に使用され、光センサはポンプ内血液のヘモグロビン含量及び酸素飽和度の測定に使用される。また、これら2つのセンサの情報を結合すると、毎分酸素消費量やポンプ拍出量の妥当性の評価も司能である。現在、このシステムを用いて成山羊の慢性実験を行っているが、この研究では、急性両心バイパス実験において、末梢循環動態研究へのTAHの応用性について、薬物負荷を中心として検討した。その結果、人工心臓自身は薬物の影響を受けないため、自然心のような末梢への反応は除去できるので、末梢反応が正確にとらえられ、TAHの末梢循環動態研究への応用性が高いことが判明した。
  • 井上 正, 瀬在 幸安
    1985 年 14 巻 2 号 p. 659
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 森 有一, 長岡 昭二, 板垣 一郎, 西海 四郎, 丹沢 宏
    1985 年 14 巻 2 号 p. 660-663
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    側鎖に長鎖ポリヱチレンオキサイド(PEO)を有するメトキシポリヱチレングリコールメタクリレートをポリ塩化ビニルにグラフト重合したポリマーの血小板および内因性凝固因子に与える影響を家兎を用いた体外循環法により評価した。長鎖PEOの導入は体外循環中の血小板数の低下, 血餅退縮能の低下およびカルシウム再加凝固時間の短縮をそれぞれ効果的に抑制した。また血液成分, 特に血小板の材料表面への付着を著しく抑制した。これらの事実は, 血小板は異物面接触などによる刺激を受けると血小板膜に変化が生じ粘着能あるいは内因性凝固因子活性能が亢進すると言われているが, 血液との界面に存在する柔軟性および親水性に富む長鎖PEOに由来する排除体積効果が一種の緩衝効果の役割を果して血小板膜への損傷を最小限におきえることによって説明される。
  • 野尻 知里, 青見 茂之, 山岸 正秀, 平山 統一, 小柳 仁, 片岡 一則, 岡野 光夫, 村山 健, 田中 昌和, 筒井 宣政
    1985 年 14 巻 2 号 p. 664-670
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    胸部下行大動脈瘤手術に於る一時的バイパス法は簡便で有用な補助手段であるが, 手術時の出血制禦の為にはヘパリン非投与下でのバイパスが望ましい。我々は, セグメント化ポリウレタン(TM3)コーティングシャントチューブを新たにデサイン, 開発し, その抗血栓性とhemodynamic performanceを動物実験で検討した。雑種成犬10頭を用い, 全例ヘパリン非投与下に5時間の弓部大動脈-大腿動脈間バイパスを行なった。A群6頭は下行大動脈を完全遮断し, B群4頭は部分遮断とし, 50~200ml/minのバイパス流量で行なった。抗血栓性: B群の1例(バイパス流量50ml/min)にのみ中央部に少量の血栓をみたがその他のチューブ内面はclearで, 走査電顕による勧察でも血小板凝集やフィフリン網の形成はなかった血行動態: バイパス流量450ml/min(26ml/kg/min), 圧較差65mmHg, 尿量も良く保たれ良好なperformanceを示した。この結果を基に現在臨床応用を考慮中である。
  • 辻 隆之, 青木 秀希, 秦 美治, 宗岡 克樹, 東方 正章, 大内 成美, 請川 洋, 戸川 達男
    1985 年 14 巻 2 号 p. 671-674
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    ハイドロキシアパタイトを人工血管として用いる目的で, 雑犬を用いて急性および慢性実験を行い検討した。すなわち頸静脈にさまざまなアパタイト管を挿入して抗血栓をテストし, さらにアパタイト管を腹部大動脈に対する治療に応用する目的で, それを腹部大動脈に挿入留置する手技について実験的に検討した。また, 頸動静脈にアパタイト管を植え込み, その開存性を慢性実験で検討した。
    その結果, 内径2.5mmのアパタイト管が, イヌの頸動脈において, 留置3ケ月後にも開存した。本人工血管は, 剛管であるため直管状の血管部分では, 血管吻合を必要とせずに, 簡単に血管内に留置できる。したがってアパタイト人工血管は高齢者やハイリスクの一部の動脈瘤の姑息的手術に応用可能と思われた。
  • 井街 宏, 藤正 巖, 中島 正治, 塚越 茂, 満淵 邦彦, 本村 喜代二, 鎮西 恒雄, 阿部 裕輔, 滝戸 直人, 河野 明正, 小野 ...
    1985 年 14 巻 2 号 p. 675-678
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    完全置換型人工心臓で344日間生存したヤギに用いたカルディオサンを被覆したポンプやカニューレのカルシウム沈着, 血栓形成および疲労強度の分析を行った。ポンプおよびカニューレからはいわゆるカルシウム沈着が当施設としては初めて検出された。ポンプ内のカルシウム沈着は最も強くストレスを受ける部分に集中的に見られ, その程度は右心より左心の方が強かった。カルシウム沈着物の表面には血栓が形成されていた。カニュレ内には血栓形成はなく, 心房カフや大動脈のグラフトにも血栓やパヌスは全く見られなかったが, カルシウム沈着は程度の差こそあれほぼ全域に認められた。使用後のポンプの引張試験結果ではポンプの被労はほとんど見られなかった。
  • 松田 武久, 岩田 博夫, 豊崎 俊幸, 野田 祐幸, 中谷 武嗣, 福田 幸人, 安達 盛次, 高野 久輝, 阿久津 哲造
    1985 年 14 巻 2 号 p. 679-682
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    高度の抗血栓性とその信頼性を保証する医用弾性体が, 親水性のセグメント化ポリウレタンと強力な抗トロンビン剤MD-805を組み合せることによって開発された。ここで開発された徐放システムの特徴は, (1)MD-805が極性溶媒に易溶であることから, 任意の割合でポリマーの中に均一に分散させた膜を形成すること, (2)徐放速度及びその期間は, セグメント化ポリウレタンの親水性度, MD-805のloading量, 及びコーティングの膜厚によって, 容易に制御出来ること, (3)強力な抗血栓性は, 比較的良好な抗血栓性を有しているセグメント化ポリウレタンの効果に加えて, 血液/材料界面におけるMD-805の局所的濃度の増加によって, AT-IIIを必要とせずに凝固系及び血小板系を阻害することである。
  • 土屋 喜一, 草川 實
    1985 年 14 巻 2 号 p. 683
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 杉立 彰夫, 高塚 雄一, 阪本 泉
    1985 年 14 巻 2 号 p. 684-687
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    生体内でfibrinogenと反応し, 直ちに局所に制癌剤を含有するfibrin clotを形成することにより, 局所停滞性, 徐放性を有する制癌材料を開発した。これは, 吸収性gelatin材料(G)を担体として, Thrombin (T), Factor XIII (XIII), 制癌剤Adriamycin (ADM)の3者を凍結乾燥法で固定化して作成し, “G・T・XIII-ADM”とした。
    本材料の局所的fibrin形成能は, 重量にして, 対象群の10倍以上, in vitroでのclotからplasma中へのADM放散は緩徐で, 15日間以上持続した。実験的TACEで, 本材料による塞栓は腫瘍内末梢の小動脈からおこり, 腫瘍に対しては, 先ず血管閉塞による阻血効果, 次いで腫瘍血管壁破綻によって放散されるADMの制癌作用の両面から抗腫瘍効果が発現されることが伺われた。臨床的には, 本材料を局所進行乳癌に対する術前TACEの塞栓材料として使用し, 組織効果と局所再発防止にすぐれた結果が得られた。
  • 今井 庸二, 渡辺 昭彦
    1985 年 14 巻 2 号 p. 688-691
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    圧電性などを利用して人工臓器への応用が検討されつつあるポリフッ化ビニリデン(PVDF)のフィルムをラットの皮下組織に埋植し, 組織反応及びPVDFの変化について2年間にわたって検討した。比較試料としてポリスルホン(PS)のフィルムも同時に埋植した。12月までの組織反応のパターンは, PVDF, PSともほとんど差はなく, 低毒性材料に共通するものであった。しかし, 12月以後では, 材料周囲に形成される線維性被膜の厚さにかなりの違いを生じた。PSでは被膜厚さが増加するような傾向は見られなかったのに対し, PVDFでは明らかに増加傾向にあり, 全体的に被膜が厚くなった。被膜が肥厚する原因の一つとして, PVDFからの溶出物が疑われた。長期にわたる線維増生傾向は, インプラント用材料としては通常あまり好ましくないと思われる。PVDFの引張り強さ, 伸び率は, 2年間の埋植ではほとんど変化せず, 安定した性質を示した。
  • 花沢 一芳, 谷 徹, 岡藤 太郎, 吉岡 豊一, 遠藤 善裕, 中根 佳宏, 小玉 正智, 寺本 和雄, 小路 久敬
    1985 年 14 巻 2 号 p. 692-695
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    我々の考案したポリミキシンB固定化繊維(PMX-F)は、固定化前のボリミキシンBと同様に抗エンドトキシン作用を有しており、しかも抗菌活性(主にグラム陰性桿菌に対して)をも示した。敗血症主体における原因的治療への応用を考えると、一挙両得の生体材料といえる。しかし敗血症生体に夢ける血中エンドトキシン濃度は病態により異なるが、Pg~ngが中心となつており、臨床応用に際しては、この極低濃度領域での効果が明らかにされなければならない。また体外循環への応用には、PMX-Fの効果はもちろんの事であるが、血液適合性に関しても充分に検討される必要がある。そこで本稿では、1)PMX-FIの固定化に対する評価。2)PMX-Fめ効果を中心に、血液適合性に関しても言及し報告する。
  • 片岡 一則, 桜井 靖久, 丸山 厚, 鶴田 禎二
    1985 年 14 巻 2 号 p. 696-699
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    治療・診断技術の進歩に伴い, 新しい効率的な細胞分離法の出現が, 基礎及び臨床医学分野で強く望まれている。特に, リンパ球の二大亜集団であるB細胞とT細胞の分離は, 各種免疫疾患の診断, 臓器移殖における組織適合性の判定, モノクロナル抗体やリンホカインの産生等に不可欠である。我々は, B細胞とT細胞の簡便かつ迅速な分離法として細胞吸着クロマトグラフィーに着目し, 高いB・T分離能を有する吸着体の開発を系統的に進めた結果, 塩基性のポリアミンを側鎖とする櫛型共重合体がそのような吸着体として優れた性能を有することを見い出した。本報告においては, この吸着体の具体的な分離特性を, 従来B, T細胞分離用の吸着体として汎用されて来たナイロンと比較して示し, その優位性を実証する。さらに, 細胞分離用吸着体を分子設計する指針として、櫛型共重合体を含めた多相系高分子材料の有用性についても議論する。
  • 大西 清, 高浜 龍彦, 金井 福栄, 飯塚 一郎, 平石 守, 田中 洋一, 出月 康夫, 浅野 献一, 吉竹 毅, 中林 宣男, 宮田 ...
    1985 年 14 巻 2 号 p. 700-703
    発行日: 1985/04/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    これまで人工気管として使用されてきた材料は必ずしも組織親和性の高いものではなく, 解決すべき問題点が多かった。骨に対して親和性があり既に人工歯根, 人工骨として実用化されているハイドロキシアパタイトを気管と人工気管の接合面に応用する目的で, 多孔質ハイドロキシアパタイト焼結体から幅5綱のChip, Ringを作製し雑種成犬12頭の頸部気管に移植した。移植後40日以後に良好な上皮化と周囲結合織との接着が観察された。さらに光顕的, 電顕的検討を加えたところ多孔質ハイドロキシアパタイトは気管上皮, 軟骨, 気管周囲軟部組織とも良好な組織親和性があることが確認され, 炎症性反応も認められなかった。とくに, 気管軟骨との接着に関して興味深い知見が得られた。管腔保持力があり, 気管軟骨に親和性の高い多孔質ハイドロキシアパタイトは, 人工気管の材料として優れた特性を備えた素材と言える。
feedback
Top