抄録
ポリパーフルオロアルキルアクリレート(PFAA)を用いて, 疎水性連鎖同志からなり, ミクロ相分離構造を有するブロックコポリマーを合成し, その血液適合性をin vitro, ex vivoにおいて検討した。in vitroにおいては, ドメインの連続したミクロ相分離構造を形成するプロックコポリマー表面上で血小板粘着量が著しく減少し, さらに血小板流出曲線から求めた血小板凝集時間(PAT)が非當に長いことから, 優れた抗血栓性を有することが明らかとなった。ウナギ頸部A-Vシャントを用いたex vivo実験においては, ホモポリマーを使用した場合に現われる血小板数の減少や凝集能,粘着能の低下といった現象がブロックコポリマーでは現われないことから,優れた血液適合性を有することが明らかとなった。