抄録
E. coli由来の内毒素 を繊維状担体に固定化し、不溶性の材料(LPS-F)とした。in vivoにて家兎Vx2腫瘍に対し、LPS-F充填カラムによるDirect hemoperfusion (DHP)療法を採用した。
実験I NZW家兎背部皮内に4×105個のVx2腫瘍を移植、1) 群として4~5日後、2) 群は7~9日後に治療した。腫瘍増殖は2群とも有意に抑えられる期間があり、生存率も前者にて2/5例(40%)後者で1/5(20%)であつた。
実験II BCG生菌を約1×108個静注し翌日大腿:筋内へVx2腫瘍1×106個移植した。日白家兎に治療群12羽につき14日目e(DHPを行った。治療後16日目の大腿筋肉の厚さではBCGのみのコントロール群5羽とに有意に抑制効果を認めた。又47日後の生存率では治療群にて8/12 (67%)、コントロール群にて2/5 (40%)であつた。又DHP後の血清中にIFNとTNF様物質の誘発が確認された。