抄録
ハイドロキシアパタイト焼結体を用いて, 皮膚電気端子および磁気結合コイルを製作し, 慢性実験による評価を行った. 電気端子は直径24mmの円板の中心に体外に露出する部分として直径10mm, 高さ13mmの円筒を立てた形で, 中心に導体を通してあり, リード線をスクリューにより固定できる. 磁気結合コイルは, 皮下に埋没する部分が24mm×48mmの板で, 円筒2本を立てた形で, 体外に半円形の銅パイプを露出した形のもので, パイプ内に巻数20回のコイルを通した. コイルの体外部に鉄芯を通してトランスを形成することにより, 電力の伝達が可能である. 慢性実験には成犬を用い, 電気端子2個と磁気結合コイル1個とを背部に植え, 磁気結合コイルのリードを体内で電気端子に接続した. 4ケ月の観察の結果, アパタイト部分が皮膚とよく結合し, 感染が認められず, 機械的によく固定されており, 電気的にも電磁結合が良好であることを確認した.