抄録
目的:門脈再建の代用血管としてのGA HUCVの有用性を実験的に検討した。
方法:雑種成犬の門脈本幹に約2傷長のGA HUCVを間置した。門脈遮断時間は平均25分であった。
成績:25分間の門脈遮断及びGA HUCV移植の術後の肝機能に及ぼす影響は極めて軽微である。移植されたGA HUCV研の開存率は4週までは14/16(87.5%)、3月では3/7(42.9%)、6月では3/8 (37.5%)、15月では1/3(35.5%)であり、移植後の時間の経過とともに低下した。閉塞の原因は、移植後5月以上経過すると著明になってくる吻合部から始まる内膜の線維性肥厚によるものと組織学的に推定された。
結論:門脈再建に移植されたGA HUGVは、15月の長期開存もあり有用と考えられたが、線維性内膜肥厚という問題が残った。