人工臓器
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補助循環の臨床
―特に両心バイパスと左心バイパスについて―
副島 健市秋山 一也福地 晋治高梨 吉則遠藤 真弘小柳 仁
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1985 年 14 巻 3 号 p. 1083-1086

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抄録

開心術々後のLOSに対する治療法は, IABPの導入により, 一段と進歩した。しかしIABPでは十分な補助循環効果が期待できない症例や, IABPの施行自体が困難な症例の場合には, 両心バイパスや左心バイパスが必要となってぐるが, 人工心肺を用いたバイパス法の成績は不満足である。そこで1981年1月より1984年5月までに開心術々後補助循環を行った163例について検討した。163例中IABPのみ施行したのは132例でうち離脱したのは112例(84.8%)で, 両心バイパス26例中離脱しえたのは6例(23.1%), 左心バイパス5例中離脱しえたのは3例(60.0%)であった。両心バイパスから離脱できたのは最長で430分の補助循環であったのに対し, 左心バイパスでは, 6660, 5700分と長時間の補助時間でも離脱が可能であった。今後は適応があれば, さらに脱血法や装置の着脱法に改良を加えて, 左心バイパス法を積極的に行うつもりである。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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