人工臓器
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補助心臓用ポリウレタン製Conduit弁の開発に関する基礎研究
梅津 光生野田 裕幸野川 淳彦中谷 武嗣吉原 稔貴山寺 芳美妙中 義之田中 隆福田 幸人岩田 博夫松田 武久安達 盛次土屋 喜一高野 久輝阿久津 哲造
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1985 年 14 巻 3 号 p. 1120-1123

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抄録
補助心臓ポンプに使用するためのConduit組込式ポリウレタン人工弁(PU弁)を試作した。材料は補助心臓と同じ東洋紡社製セグメント化ポリウレタンを使用した。
Björk-Shiley (BS)弁の25と21ABPに対応するL, Sの二種の口径のアルミ製モールドを設計し, L型弁で, 従来と同方法の弁機能試験を行なった。ポンプ拍出量, 圧較差, 有効弁口面積の諸値をもとに総合的に判断した結果, 流出弁は0.32mm, 流入弁は0.20mmの肉厚のPU弁をそれぞれ用いるのが最も良好であることがわかった。そこで, L型PU弁と同形状で補助心臓Conduitに組込める大きさのS型弁をL型製作時と同方法で作成したところ, 0.40, 0.26mmとL型よりも厚い弁葉を有する弁ができた。これらを補助心臓ポンプに組込んでその特性を調べたところ, 0.40mmの弁では肉厚による弁抵抗が大きすぎて, ポンプ特性の悪化をまねき, 0.26mm弁同志の組合せがBS弁に匹敵する特性を得た。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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