人工臓器
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各種血液ポンプに対する体外循環送血カニューレ部の圧力損失の検討
山寺 芳美吉原 稔貴神宝 剛山田 義明土屋 喜一梅津 光生野川 淳彦高野 久輝
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1985 年 14 巻 3 号 p. 1116-1119

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抄録
体外循環時に使用する送血カニューレや血液回路(径・長さ)が血行動態に及ぼす影響について, 3種類の血液ポンプ(遠心ポンプ・ローラポンプ・拍動流ポンプ)に関して, 循環系機械モデルを用いて試験した。その結果, 遠心ポンプでは拍出量・エネルギ損失の点から, 一方, ローラポンプではエネルギ損失の点から可能な限り太いカニューレを使用すべきであり, 血液回路の長さや内径は拍出量にほとんど影響を与えないことか確認できた。拍動流ポンプにおいては, カニューレサイズによる拍出量, 動脈圧波形(特に立ち上がり)の差異は非常に大きい。また, ポンプ駆動圧やカニューレ挿入角度も血行動態に与える影響は大であり, 駆動圧0.4kg/cm2以上, カニューレは動脈壁に対して直角でなく, 60°以下の挿入角度が適切であることがわかった。どのポンプにおいても, 実験に使用した送血カニューレのうち, 拍出量・エネルギ損失・動脈圧波形の点から圧倒的に22Fが優れていることがわかった。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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