IABPは補助循環法のひとつとして広く用いられている。我々はこれまでに、急性心筋梗塞及び心臓手術症例246例に対してこれを用い、そのうち89例の死亡例において検討を加えた。IABP使用例の死亡率は36.2%であり、1980年までめ前期と1981年以後の後期にわけて比較したところ、死亡率に差はみられなかった。小児例は4例あったがいずれも救命できず、小児のIABIPについては今後の検討がまたれる。89例の死亡例のうちでIABPから一旦離脱できたものは41.6%で、前期の36.4%に対し、後期のそれは43.3%と改善の頻向がみられた。Vasospastic anginaに対する術中術後の使用効果が大きいことがうかがわれた。成績向上のためには、IABPそのものによる合併症をおさえることが必要である。