人工臓器
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生理的ペースメーカーの有用性と問題点
小久保 光治広瀬 光男小島 洋二竹内 文夫東健 一郎宮田 知幸稲田 潔宮本 洋通千田 晴之大川 育秀立山 健一郎村瀬 恭一佐々木 裕茂
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1985 年 14 巻 3 号 p. 1415-1418

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抄録
生理的ペースメーカーを植込んだ21症例において, 血行動態の評価と植込み後の問題点について検討を加えた。
Cardiac Index, Stroke Volumeは心室ペーシングと比較して約20%の増加を認め, CTRも術前と比べ有意に減少していた。このように血行動態に関して生理的ペーシングは非常に有用であった。問題点としでは, 1) Psensing failureが6例に認められ, うち2例は心室ペーシングとして作動している。2) 逆行性伝導によるpacemaker mediated tachycardiaが1例に認められた。3) 13例に静脈造影を施行したが, 5例において鎖骨下静脈の完全閉塞と著明な側副血行が, 4例に高度の狭窄と発達した側副血行が認められた。
以上の経験より生理的ペースメーカーは心機能上は好ましいが, 問題点も多く広範囲の適応には限界があると考えられた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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