人工臓器
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完全房室ブロックに対して、VDD、DDDペースメーカーを使用した10症例の運動許容範囲について
黒田 修巽 英介宮川 周士奥田 彰洋高尾 哲人井原 勝彦山口 時雄
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1985 年 14 巻 3 号 p. 1423-1426

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抄録
正常な洞結節の機能を有する完全房室ブロックの患者にとって、最も有効なペーシングモードは心房同期型であることは、従来言われてきている。正常な心房機能を有する完全房室ブロック10症例に対し、VDD、DDDペースンーカー植え込み術を施行した。術後、VVIモードペーシングとVDDモードペーシングにて、日常生活と結びついた心機能の評価が追求できるトレッドミル運動負荷試験を行なった。VVIモード、ペーシングレート70ppmでは7.4±1.6Mets、VVIモード、ペーシングレート120ppmでは9.4±2.1Mets、VDDモード、ペーシングレート123.2±40.6ppmでは11.5±2.4Metsであった。VDDモードペーシングでは、VVIモードペーシングに比し、明らかな運動許容範囲の拡大が認められた。この拡大は心房機能、および体の要求に応じた心拍数の増加によると考えられた。なお、VVIモードペーシングにおいても、日常生活を行ない得る運動能力は確保されていた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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