人工臓器
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体外循環後の残留血濃縮利用に関する検討
―新開発のHonow Fiber型残留血濃縮器の使用経験―
佐々木 達海中野 雅道鈴木 和彦水野 朝敏古川 仁新井 達太鎌田 裕司中田 大悟竹中 良則井出 光基福味 広員
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1985 年 14 巻 3 号 p. 1512-1515

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抄録
体外循環後の人工心肺残留血を濃縮再利用するために、新たに開発されたHollow-Fiber型残留血濃縮器を使用して、その有用性を検討した。
開心術症例20名を、従来の血漿分離器Plasmaflo AP-08Hを使用したもの(I群、10例)、新開発の残留血濃縮器ASA-1200を使用したもの(II群、10例)に分け、血液濃縮を行い、血液成分の変化を比較検討した。
両群とも、血球成分は有意に濃縮され、両群間に差は認めなかった. 遊離ヘモグロビンは両群とも軽度の上昇を認めたが、有意ではなかった。血清蛋白は、I群では全く濃縮されなかったが、II群では、各蛋白成分とも有意に濃縮されていた。
以上より新開発の残留血濃縮器は血液濃縮に有効であり、従来使用されていたものに比し、より有用であると考えられた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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