抄録
われわれは, 体外循環装置開発のなかで, ローラーポンプを用いての断続的静脈脱血と静脈拍動について検討をつづけてきた。今回は, ローラーポンプによる連続脱血(定常脱血)と断続脱血(間欠脱血)について, その回路内圧変動の様相を検討するとともに, 脱血回路内のcompliance chamberの過剰陰圧防止効果とともに, 圧変動緩衝効果について検討し, 以下の結論を得た。
1) ポンプ回転に伴なう回路内圧変動では, 連続脱血と間欠脱血との間に著しい差を認めなかった。
2) 回路内compliance chamberの緩衝作用は定常脱血においてより著明に認められた。
本検討の意義は, 回路の構成, ポンプの種類などにより大きく影響されると考えられ, 個々の回路の特性については, さらに充分な検討が必要と考えられる。