抄録
体外循環における拍動流の有効性については多くの報告がみられ、また拍動流駆動装置は種々の型が考案されている。このうちAVCO PBP装置及びCobe StockerもSystemを後天性弁膜疾患各10例に臨床使用し、定常流体外循環例10例と比較し、拍動流の有効性を確証するとともに、両装置の比較検討を行なった。両装置共完全体外循環中は脈圧約40mHgの拍動流が得られ、また補助循環中は心電図同期のcounter pulsationとすることにより、体外循環停止直後の心機能、心筋予備力は定常流体外循環例に比し良好であった。また拍動流は完全体外循環中の腎機能、末梢循環にも好結果を及ぼした。これらの結果は両装置の間で有意の差はみられなかったが、counter pulsation効果はPBP装置の方がやや効果的との印象をうけた。