1985 年 14 巻 3 号 p. 1668-1671
1978年9月から1984年7月まで、成分輸血による開心術症例は166例で12例(7.2%)に輸血後肝炎がみられ、それ以前5年間の全血輸血法による開心術症例94例中16例(17%)の肝炎発生と比較して成分輸血法に有意に肝炎発生が減少した。1978年9月~1983年8月は成分輸血のみ用い、129例中11例(8.5%)に肝炎発生がみられ、1983年9月~1984年7月は成分血1単位毎に免疫グロブリン製剤250mgを添加した成分輸血を用い、37例中1例の肝炎発生にとどまった。成分輸血は主に濃厚赤血球を用い、代用血漿としてPlasmanateを併用しているが、大量のPlasmanate使用による出血傾向はみられなかった。