抄録
現在, 膜構造の異なる種々のタイプ膜が血漿分離, 血漿成分分離, 血液濾過および血液透析等血液浄化法に広く応用されている。
濾過速度や溶質の分離率等血液の濾過性能は, これら膜構造と密接に関係し, 膜構造の相違によりそれぞれ濾過のメカニズムの違いが示唆された。各膜の血液浄化法への使用に際しては, それぞれ膜のタイプに応じた濾過操作や使い方, また目的に応じた膜タイプの選択が必要である。
また膜から見た人工腎用透析膜の最近の動向については, 薄膜化による高性能化, 生体適合性にすぐれた膜の検討等が進められている。