抄録
大動脈用一時的バイパスチューブとしてCardiothane coated PVC tubeを作製し, その抗血栓性およびtube designについて動物実験(雑種成犬15頭, 左鎖骨下動脈・左大腿動脈間バイパス3時間) 論よびmock ciraulationにて検討した。抗血栓性はバイパスチューブ最大内径部の勇断速度(r)とチューブ内面の走査電子顕微鏡像で比較検討したところ, r=255,5±50,7sec-1で良好な抗血栓性が得られた。又, チューブデザイン上は, 中央部のチューブ最大内径(IDmax)・先端挿入部の最少内径(IDmin)でバイパス流量を検討したところ, IDmax 9.5mm・IDmin 5.0mmチューブでは, %COが46.5±12.7%と良好な流量が得られた。又, mock circulation上チューブ流量は, ほぼIDminに規定された。従って, IDmax 9.5mm・IDmin 5.0mmのCardiothane coated PVC tubeでは有効な流量と抗血栓性が得られることとなり, 臨床使用可能と思われた。