人工臓器
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RI法によるタングステンカーバイド微粉末を混合したシリコーンゴム表面へのタンパク質競争吸着量の比較
鈴木 嘉昭日下部 正宏日下部 きよ子秋庭 弘道佐藤 昌六
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1986 年 15 巻 1 号 p. 235-238

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抄録
タングステンカーバイド微粉末を混合したシリコーンゴム, PVC, およびガラス等への生理的濃度比血漿タンパク質混合溶液中でのアルブミン, フィブリノーゲンの吸着量の測定を, 131Iにより標識されたアルブミン, フィブリノーゲンを用い行った。高分子系材料へのアルブミン, フィブリノーゲンの吸着量は, ほぼタンパク質溶液の濃度比に従った吸着量を示したのに対し, ガラスへのアルブミンの吸着量は, 他の血液成分の影響をさほど受けず, 高分子系材料の数倍の値を示した。シリコーンゴムヘのタングステンカーバイド微粉末を混合したことによるタンパク質混合溶液中でのアルブミン, フィブリノーゲンの吸着量の顕著な差は見られず, 比較として用いたPVC, Silastic®とも大きな差は見られなかつた。高分子系材料およびガラスへのフィブリノーゲンの吸着量は, 特にアルブミンの存在下で, 大きく減少した。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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