人工臓器
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血中Perfluorochemicals Emulsion (PFC-E)除去方法の検討
安達 盛次福田 幸人野田 裕幸中谷 武嗣田中 隆岩田 博夫梅津 光生松田 武久高野 久輝阿久津 哲造
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1986 年 15 巻 1 号 p. 406-409

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抄録
PFC-Eを人工心肺充填剤として体外循環に使用後, これを血中より除去する方法につき検討した。体外循環によるPFC投与量が20.4±3.3kgB. W. であった体重10.0±1.6kgのBeagle犬5頭において, IBM-2997のみにてPFC除去を行なった結果, 術後血中PFC濃度は42±1.1g/dl, 対照群と比較するとその22%に低減されていた。術後実験犬はすべて長期生存している。次にIBM-2997と併用して膜型血漿分離器(Filter)応用の可能性をIn Vitroにて検討した。遠心分離法によるPFC除去率は処理血液中のPFG濃度が20g/dl以上の時に高くなる事はすでに報告したが, 今回FilterによるPFC-Eの濾過実験の結果では, PFCはFilter内に捕捉され目詰まりを起こすようでPFG-Eの濃度の上昇は極めて少なく, PFC濃縮用にFilterを用い得る可能性は少ないと思われた。しかし, 遠心分離法により分離回収された血漿中のPFCをさらに除去する目的でならばFilterは応用可能と思われた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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