人工臓器
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細胞組込み型人工粘膜に関する基礎的研究
上田 実丹羽 大治江幡 晃治嶋 隆義金田 敏郎宮田 暉夫
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1986 年 15 巻 1 号 p. 423-426

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抄録
われわれは動物より採取したわずかな粘膜細胞を生体外で増殖させ組織として構成した後, 再び生体に移植する細胞組込み型人工粘膜の開発に成功した。
われわれの開発した人工粘膜は, その作製法によって2種類のtypeに分かれるが, いずれもコラーゲン基質内に口腔粘膜構成細胞を組込んだものである。
Type 1では, はじめにコラーゲンゲルと線維芽細胞で粘膜固有層モデルを作りその表層に上皮細胞を重層させ人工粘膜を作製する。
一方, type 2ではあらかじめコラーゲン薄膜とスポンジ状コラーゲンよりなる二重膜を作製しその表層に上皮細胞をシート状に培養する。
本論文ではこれらの人工粘膜の作製法と移植実験の概要を述べるとともに, 将来の臨床応用の可能性に言及する。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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