抄録
ヘパリンに代えてprostacyclin誘導体を抗凝固剤として投与し, 24時間の左心バイパス(LHB)を施行, 血小板, 血液凝固系, 溶血に及ぼす影響を遠心ポンプ(Biopump)とローラーポンプを対比し検討した。両群において, prostacyclin誘導体単独投与で長時間のLHB施行が可能であり, 血小板, 赤血球への傷害を軽減できると考えられた。血液凝固線溶系への影響は小さく, 生体のhomeostasisにより代償可能と考えられた, 遠心ポンプは, 血液凝固内因系の賦活化防止の上で, ローラーポンプよりやや有利と考えられた。