抄録
ローラーポンプ, と遠心ポンプ(Bio-pump)とによる血液破壊の差を比較検討した。牛血を用いた, 閉鎖循環回路に論ける2時間の実験では, 遠心ポンプはローラーポンプに比べ溶血の程度が低い傾向にあった。24時間の実験では, 両群ともに遊離ヘモグロビンの経時的な増加傾向が認められたが両群間に有意差は認められなかった。遠心ポンプの臨床使用では, ローラーポンプと比べ溶血の程度に有意差は認められなかったが, 操作性の面で, autoflow modeの使用で容易に定常流が得られた。ローラーポンプのようにポンプヘッドとチューブの間のクリアランス調整の必要がなく, 麿耗の心配もないため今後臨床使用に有用なポンプであると考えられた。