人工臓器
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開心術後重症心不全に対する補助人工心臓の治療効果の検討
中谷 武嗣高野 久輝梅津 光生安達 盛次野田 裕幸福田 幸人田中 隆岩田 博夫松田 武久公文 啓二由谷 親夫内藤 泰顕藤田 毅阿久津 哲造曲直部 寿夫
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1986 年 15 巻 2 号 p. 588-591

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抄録

開心術後重症心不全に対する左心補助人工心臓(LVAD)の心補助効果について、実験(成山羊を用い、常温下大動脈遮断にて心筋保護不良による心不全モデルを作成)及び臨床例(当センターで経験した7例)の検討を行ない、以下の結論を得た。(1)心筋保護不良による重症心不全では、両心不全を呈するが、容量負荷下にLVADを適用することにより、全身及び冠循環の維持が可能である。(2)心機能の回復は、壊死心筋の結合織化による残余心筋発生エネルギーの有効利用、心拍数の増加、左房圧の上昇、左室容積の拡大により、もたらされると考えられる。(3)心筋損傷が広範囲に及ぶものは、心機能の回復を期待できない。しかし肺血管抵抗が正常であれば、LVADにより心移値等他の手段をとるまでの循環維持が可能である。(4)開心術後重症心不全に対し、LVADは、有力な治療手段である。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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