抄録
ポリプロピヒン中空糸型人工肺を600例以上の開心術に用い良好な酸素加能・炭酸ガス除去能を得た。完全体外循環終了時送血側酸素分圧の低下をみたり炭酸ガスが上昇する症例を経験した。その一因には灌流システムの不備があると考えられた。
術直後の肺内シャント率はone pump systemの気胞型肺の方がtwo pump systemのポリブロビレン中空糸型肺よりも低く, 肺機能をよく温存していた。これには灌流システムの違いも関与していることが考えられた。肺内シャント率の推移, spirometryによる肺機能の検討ではポリプロピレン中空糸肺使用症例は肺機能の回復が速かであると考えられた。