人工臓器
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新しい免疫吸着材に関する研究
―カラム法による解析―
鮫島 正山本 雄一高橋 晃赤池 敏宏
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1986 年 15 巻 3 号 p. 1668-1671

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抄録

数種類の吸着材を調製し、カラム法を用いて、血漿蛋白質に対する吸着性能の検討を行なつた。その結果、アクリルビーズ(Eupergit-C)および、シリカゲルビーズ(孔径906Å)を担体として、スルフアチアゾール(ST)を固定化した吸着材が、グロブリンを選択的に吸着することが判明した。特に、Eupergit-C-STは、IgGを、また、シリカゲル(906Å)-STは、IgMを、選択的に吸着する傾向を示した。
また、血漿灌流後に、少量のPBS、あるいは、生理食塩水で、吸着材を洗浄することにより、アルブミンが優位に脱離されて、グロブリンの吸着選択性が向上した。
さらに、実用的なモジユールを試作して、動物実験を行なつたところ、in vitroと同様な結果が得られ、将来の実用化の可能性が示唆された。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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