人工臓器
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急性肺高血圧モデルを用いた右心補助人工心臓の実験的検討
西垣 恭一広瀬 一松田 暉中埜 粛白倉 良太中田 精三大谷 正勝川口 章大久保 修和中 好文川島 康生
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1987 年 16 巻 1 号 p. 109-112

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抄録
急性肺高血圧モデルに対する右心補助人工心臓(RVAD)の効果について検討した。雑種成犬12頭を用い、両側肺動脈のそれぞれの断面積が50%になるような肺動脈絞扼術(PAB)を行った。
非補助群5頭は30分以内に全例死亡した。補助群7頭は、RVADを駆動することにより、全例実験終了まで生存した(平均バイパス率63%)。PABにより上昇した右室収縮期圧、右房圧、右室一回仕事量、右室dP/dtはRVAD駆動によりそれぞれ88.9±23.2mmHgから54.4±26.3mmHgに(P<0.05)、6.4±2.8mmHgから2.4±1.8mmHgに(P<0.01)、23.7±10.5mmHg・ml/kgから11.7±7.7mmHg・ml/kgに(P<0.01)、1150±176から757±262mmHg/sec(P<0.005)にいずれも有意に低下した。またPABにより低下した左房圧は有意に上昇し, 大動脈圧, 心拍出量もPAB前値に復する傾向を示した。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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