人工臓器
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オムニカーボン弁の弁機能不全に対する臨床的・実験的検討
藤井 尚文川副 浩平梅津 光生田中 隆藤田 毅
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1987 年 16 巻 1 号 p. 340-344

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抄録
Omnicarbon弁を39例の患者に50個使用した。死亡は2例(5.1%)であった。心臓カテーテル検査では, Omnicarbon弁の弁機能特性はBjörk-Shiley mono strut弁とほぼ同等であった。術後, MモードUCGにて, disc開放時に異常notchが認められる症例が5例あった。大動脈弁位で異常notchがみられた症例のOmnicarbon弁をX線透視下でみると, 弁開放時にdiscが途中でひっかかる異常な動きが観察された。
さらに, 死亡した症例から摘出した27mmのOmniearbon弁を用い定常流試験を行ったところ, 通過流量の増加に伴い弁前後の圧較差が滑らかに増加せず, disc開放に際して引っかかりが存在することが認められた。以上より, Omnicarbon弁には重大なデザイン上の欠陥がある事が示唆された。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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