抄録
Rate Responsive Pacing (RRP) は, その使用に際してどの様な心拍応答条件を設定するかまだ未解決の問題が多い。本研究は, 心拍数がRRPの最も本質的な因子であることに着目し, Treadmill運動負荷時のECGや日常活動中のHolter ECGよりRRPモードがVVIモードに比べどのような特殊な心拍応答を示すかを臨床的に解析しこれらの評価法がRRP応答条件設定にあるいはRRP効果の判定に如何に関与するかを検討した。
心室心拍のみならず心房心拍の同時解析により, RRPの3つの心拍設定条件すなわち, activity閾値, rate response grade, 心拍上限設定条件が, 心室心拍数の応答パターンよりもむしろ心房心拍数の応答パターソの中に理想的な生理的心拍応答曲線が求められ, これに基ずいて条件を設定することができることが明らかにされた。更にRRPおよびVVIモード間での心房, 心室心拍比較が, 心機能諸値の解析に有力な手がかりを与えることが示された。