抄録
95例のDDDペースメーカー植え込み例におけるCrosstalk (CT) 発生頻度調査とSSS12例においてCT誘発検査を行った。
CTはnominal settingで95例中2例と低頻度であったが、2例ともCosmosでありblanking period (BP) が17msと短縮しているためと考えられた。CT誘発検査ではAFP100%, Cosmos 283-01 33%, 284-02 100%, Delta 0%であった。AFP例ではBPは可変型であることよりCT閾値曲線(横軸心室感度, 縦軸BP)を作成した。心房出力を増大させると曲線は右上方へ移動しCTを生じやすくさせた。BPが長いほどCTは生じにくいが、Siemens704のようにBPが125msと長いものはBP時に自己心室波が生じた時Spike on Tがみられ危険であり、BPは可変型が望ましいといえる。高出力心房ペーシング時, さらに心室感度を上昇させる時はCT発生に注意が必要である。