人工臓器
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長期ペーシング症例における刺激閾値と心内検出電位の検討
―特に疾病及び電極の相違について―
寺田 康三井 利夫小石 沢正軸屋 智昭重田 治渡辺 寛岡村 健二前田 肇堀 原一
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1987 年 16 巻 1 号 p. 417-419

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抄録
単極電極と双極電極の違いによる心房と心室の刺激閾値, 心内検出電位の相違について疾患別に検討を加えた。対象は, ペースメーカー植込み術を施行した洞不全症候群(SSS)57例, 房室ブロック(AVB)107例で, 術中に刺激閾値と心内電位を測定した。
次の結果を得た。(1) 閾値に関しては:SSSでは心房の電流閾値が心室に比べて高く, 抵抗値が低い事が解った。これとSSSの病態との関連は不明であるが, 興味ある所見であった。又, ペーシング不全を予防するためにはV constant modeが有利であると思われる。(2) 心内電位に関しては:心筋量が少ないため心房電位は心室電位に比べて約4分の1であった。これは心房センシング不全が現時点での重要な問題点であることを意味し, 単極電極と双極電極の間に検出電位に差がなかったので, 筋電干渉防止の観点から双極電極の使用が有利であると考えられた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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