人工臓器
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体外循環時のウリナスタチン前投与の循環動態、内分泌機能に及ぼす影響
松永 仁松本 博志柳生 邦良宮脇 富士夫井手 博文マティソン 恵斉藤 寛文田中 修成瀬 好洋古瀬 彰
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1987 年 16 巻 1 号 p. 530-533

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抄録
ショック時のライソゾーム膜安定化作用を持つウリナスタチンを体外循環前に投与し、内分泌機能および循環動態を経時的に測定してその投与効果を検討した。成人開心術施行例16例を対象として8例をウリナスタチン投与群(U群:5,000単位/kg)とし、非投与の8例を対照群C群とした。血中アミラーゼ(膵型)はU群に吾いて低値を示し(ICU3時間値P<0.05)、インシュリンは両群間に差を認めず、コルチゾールはU群において早期(ICU3時間目)にpeak値(34.8±7.7μg/dl)を示して以後減少し、C群では24時間目にpeak値(33.3±7.8)を示す。β-GLはU群がC群に比較して低値であり(ICU24時間値836 vs 1,138、P<0.05) Cardiac indexではU群がC群より良好な回復を示した。(3.96 vs 3.08, 4.15 vs 3.37, 4.13 vs 3.70)CPK値もU群が低値であり、ウリナスタチンの前投与は有用と考えられた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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