人工臓器
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LVAD施行時の溶血防止法の検討
高浜 龍彦金井 福栄平石 守大西 清山崎 善弥鈴木 安広山田 吉隆井上 宏司吉竹 毅古瀬 彰
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1987 年 16 巻 1 号 p. 88-91

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抄録
LVAD使用にあたっては出血, 血栓, 感染などと共に溶血も重要な問題であるが, 溶血を可及的に減少させるため, Heparinに代わる抗凝固剤としてProstacyclin誘導体(PG)とNafamstat mesilate (FUT-175)を併用投与し, 溶血に及ぼす影響を検討した。また, LVAD駆動圧の陰圧の大きさと溶血についても検討した。
Heparin投与例ではLVAD施行開始後, 比較的早期から著しい溶血を示す例が認められるのに対して, PGとFUT-175の併用投与群では, 経時的に血中遊離ヘモグロビン(Hb)の漸増傾向がみられるものの, 24時間後も20~30mg/dl以下に留まり, 溶血防止上有利と考えられた。
またLVAD駆動圧の陰圧を-150mmHgとした群は, -100mmHgに設定した群より血中Hbの高傾向が認められ, 溶血防止上は可及的100mmHg以下の陰圧で駆動するのが望ましいと考えられる。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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