人工臓器
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免疫吸着材IM-PHの競合吸着
山崎 善弥高浜 龍彦藤森 義蔵大西 清平石 守金井 福栄出月 康夫井上 昇津田 信明山脇 直邦稲垣 健二
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1987 年 16 巻 2 号 p. 1027-1030

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抄録
選択的に病因関連高分子物質(免疫複合体, リウマチ因子など)を除去するために開発して来た物理化学的免疫吸着剤(IM-PH)療法の対象となる患者の血中に, 治療上存在すると考えられる薬剤と免疫複合体が, 免疫吸着材IM-PHにどのように競合吸着されるか実験的研究を行った。
慢性関節リウマチ患者血漿中ハイドロコーチゾン, プレドニゾロンや抗生剤の混在するものと, 非混在のもの4に対し, IM-PHあるいは活性炭を1の割合で混合し, 37℃にて振盪2時間前後の上血漿の免疫複合体コルチゾールあるいは薬剤の濃度を分析, 比較検討した。
IM-PHは免疫複合体に対し, コルチゾールより強い親和性を持っており, 免疫複合体高濃度の血漿中より, コルチゾールは殆ど吸着しなかった。抗生剤ゲンタマイシン, ケフドール, シオマリンなどには全く親和性を示さなかった。一方活性炭はこれら抗生剤の全量を吸着した。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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