抄録
キュプロファン(Cu)膜のポリマー構造のOH基をDiethylaminoethyl基で5%置換し補体活性をおこさないとされるModified Cellulose(MC)膜の生体適合性を検討した。その結果、MC膜では透析中の一過性白血球減少は少ない。15分目のC3aの産生はCu膜が最も多く、次いでMC膜で、PMMA膜は最も少ない。C5aの産生は、CU膜にのみみられた。β-TGのダイアライザー通過による産生は、Cu膜、MC膜では共に少なく、PMMA膜において産生が多くみられた。血中顆粒球エラスターゼは三種の膜とも透析時間の経過とともに上昇し、相互に差はみられなかった。すなわち、顆粒球エラスターゼの放出は補体活性化あるいは末梢白血球の動態と別個におこることが推測された。PF4もダイアライザー通過による産生は、Cu膜、MC膜は共に少なく、PMMA膜に多くみられた。