人工臓器
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人工膵臓
―皮下型グルコースセンサーの改良―
大倉 国利市原 透中尾 昭公市橋 秀仁高木 弘近藤 達平浅井 薫川合 祥一古川 正美池田 章一郎伊藤 要
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1987 年 16 巻 2 号 p. 974-977

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抄録
植込み型人工膵臓システム実用化に向けての大きな鍵は、植込み可能な小型グルコースセンサーの完成にある。我々はここ数年、従来の人工血管型グルコースセンサーに代わり、より臨床に用い易い、皮下型グルコースセンサーを開発し、検討を加えてきた。前報で示したようにグルコース透過制限膜を、初期のピンホール膜から、酢酸セルロース膜に代え、膜の保存液を25%エタノール水溶液から、生理的食塩水に代えることにより、in vitro, in vivoでセンサーがより確実に働くようになった。しかし、in vivo試験後、まれに高グルコース濃度の識別ができなくなる現象が起こったので、その原因究明を行った。また、グルコース透過制限膜の前に更にもう一枚膜を装着することにより、in vivoでのセンサーの安定性を高め、また長期間の使用にも耐え得るように改善できた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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