人工臓器
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ハイパフォーマンスメンブレンの性能評価法の問題点と最適評価法について
末岡 明伯河田 一郎三村 理七赤須 弘幸
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1988 年 17 巻 1 号 p. 10-13

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抄録

ハイパフォーマンス(HP)膜の性能評価を行なう場合, 膜特性の違いに由来して, 従来の透析膜性能評価法ではいくつかの問題点がある。
HP膜の透水性は, 膜により純水と血液とでは大巾に異なり, 牛血液を用いた評価が必要である。HP膜の低分子クリアランスは, 一般に膜の透水性が大きいため, UFRまたは濾過圧をゼロに調節しても正濾過(フィルター入口)および逆濾過(出口)がおこり, モジュールのL/Dの増加と共に濾過の寄与が大となる。クリアランスの評価には拡散と共に濾過の因子を考慮する必要がある。In vitroによるβ2-ミクログロブリンの透過性の評価法として, 透析患者からECUMまたはCAPD液を採取濃縮し, 牛血液と混合調整した牛血液を用いた実験法を考案した。臨床での結果と良く相関し, in vitroによる評価法としては有効な方法である。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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