人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
個人処方腹膜透析の有用性
稲垣 豊宮崎 高志天野 泉
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 17 巻 1 号 p. 119-122

詳細
抄録

症例ごとに電解質組成を変更して行う腹膜透析(個人処方PD)が、電解質・酸塩基平衡異常の治療に有効である事が判明した。9例の代謝性アルカローシスに対しては、生理食塩水をベースにした液を用いてPDを行う事により(生食PD)、pHおよびBEを正常化させる事ができた。1例の高Na血症には灌流液のNa濃度を下げ(低Na・PD)、又2例の低Na血症には灌流液のNa濃度を上げる事により(高Na・PD)、各症例の血清Na濃度を正常化させた。2例の乳酸アシドーシスには蒸留水と10% NaC1と7%NaHCO3を混合した液を用いたPD(重曹PD)を施行し、代謝性アシドーシスとショックを改善する事が可能であった。

著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top