抄録
ポリプロピレン製中空糸膜モジュールを使用して、健康者より血漿分離を実施した。分離システムとしては回路内にバッグを1つ設置したリサイクル方式と、バッグを2つ設置したシングルパス方式の2種を使用し操作法の差による採漿効率ならびに各種溶質の透過挙動について比較した。
採漿効率については、リサイクル方式がシングルパス方式に比較して、N-N時間、採漿時間ともに短時間であり、その差はN-N時間で約7分であった。しかしながら、各種溶質の透過挙動については採漿効率とは逆の傾向を示し、シングルパス方式がリサイクル方式に比して高い透過性を示した。
以上の結果、両方式は一長一短があり、更に、方法の改良を検討する必要がある。