血漿成分分離への応用を目的として、定圧濾過実験により3種類の無機多孔質膜のデキストラン分画特性を明らかにした。無機多孔質膜の孔直後分布は現行の合成高分子膜より極めて小さく、タンパク質の成分分離に適すると考えられる。多孔質ガラス膜およびアルミニウム陽極酸化皮膜は孔直径を変化させることにより、ふるい係数を変化させることが可能である。膜を用いたタンパク質の成分分離において主要な阻害因子は濃度分極による抵抗である。壁ずり速度を増加させると、膜表面に生成した濃度分極層が破壊されるためタンパク質の分離がシャープとなる。孔直径を変化させ、高壁ずり速度下で過を行うことにより希望する分離を行うことができる。多孔質ガラス膜およびアルミニウム陽極酸化皮膜は血漿タンパク質の成分分離に適用可能である。