1988 年 17 巻 1 号 p. 383-386
管状型多孔質ガラス膜を用いて血漿分離実験を行い、膜間圧力差を25mmHg、50mmHgに変化させて孔直径および管長が血漿分離特性に与える影響を検討した。濾過流束およびタンパク質のふるい係数は膜の孔直径の増加とともに上昇するが、孔直径が1μm以上になると一定値を示した。濾過流束は管長の(-1/3)乗および壁ずり速度の1乗に比例した。これらの関係は膜間圧力差が50mmHgから25mmHgに低下しても変化しなかった。しかし孔直径が1μmの多孔質ガラス膜の場合、膜間圧力差低下に伴いふるい係数が大きく上昇し、他の孔直径の膜と異なった現象を示した。血漿分離においては赤血球の分極層が支配的な抵抗になる。膜間圧力差が低下すると分極層抵抗および付着層抵抗は減少した。濾過流束なヘマトクリットの対数値の増加に対して直線的に減少せず、限外濾過理論による濾過流束の原液濃度依存性と異なった結果が得られた。