血液中の選択的なエンドトキシン除去を目的として開発したポリミキシンB固定化ファイバー(PMX-F)と非選択的吸着剤である活性炭およびポリミキシンBを固定する前のα-アミドメチル化繊維(キャリヤー)の3材料を用いEt吸着量及びEtショックモデル犬の生体反応にて比較しポリミキシンBを固定化する意義について検討した。フェノール硫酸法による水系でのEt吸着能は、PMX-Fが活性炭の3.6倍、キャリヤーが活性炭の2.5倍でありPMX-Fが最も多くのEtを吸着した。Etショックモデル犬を作製し、各材料を充填したカラム(50ml)を用いたDirect hemoperfusionによる治療実験を行った。一週間の生存率は、キャリヤー群では13例全例が3日以内に死亡し、活性炭群でも生存率は20% (1/5)と低かった。PMX-F群では73% (11/15)の生存例があった。更に、Etショックによる低血圧、白血球減少及び代謝性アシドーシスからの回復において他の2群より良好な結果がえられた。以上よりポリミキシンB固定化の有効性及び意義が証明された。