従来、石灰化現象は生体弁や偽内膜生成表面で起こると考えられてきたがセグメンテッドポリウレタン等の平滑表面を有する材料でも石灰化の報告がある。特に人工心臓のダイアフラムにおける石灰化については、クラック、マイクロバブルの存在部位に直接石灰化するのか、血栓や細胞成分などの影響によるものなのか不明な点が多い。本研究では、多孔質化したセグメンテッドポリウレタンをin vitroで牛血清に浸漬し、石灰化の有無を検討した。石灰化はin vitroでも生じ、稼動によるストレスや血液中の細胞成分に依存しない石灰化機構の存在を明らかにした。また、PMMAやシリコン等の材料でも石灰化することを見いだした。