抄録
IL-2mini-pelletをマウスMeth A腫瘍の近傍の皮下に投与しその抗腫瘍活性について検討したところ、IL-2mini-pellet単独の場合もLAK細胞を同時に投与した場合も同様に明らかな増殖抑制効果と生存期間延長効果が認められた。次に作用機序の解析のため、IL-2mini-pellet投与後の担癌マウス脾細胞の細胞障害活性の変化を測定した。NK・LAK活性いずれも治療開始後1日目より上昇し2日目にピークに達した。さらに治療後の腫瘍組織に対してmonoclonal抗体を用いた免疫組織学的染色を行ったところ、LAK細胞を同時に投与した場合1日目よりリンパ球浸潤がみられ、IL-2mini-pellet単独投与では7日目にThy1+細胞とASGM1+細胞が多く浸潤していた。すなわちIL-2mini-pelletによりin vivoでLAK細胞が誘導された可能性が示唆された。IL-2mini-pelletはLAK細胞養子移入療法への応用はもちろん、単独投与でも有効な抗腫瘍効果を発揮できると考えられる。