抄録
生体親和性にすぐれているとされる3種のバイオセラミックス、ハイドロキシアパタイト,β-リン酸三カルシウム及びガラス状カーボンをボタン型に成形し, 成犬皮膚に経皮的に埋入した。2, 4, 12及び32週後に摘出し, 周囲皮膚の組織反応をみた。ハイドロキシアパタイト及びβ-リン酸三カルシウムはいずれも皮膚とよく密着していた。また感染や炎症による細胞浸潤はほとんどみられなかった。一方、ガラス状カーボンは逆にほとんどが感染によると思われる重篤な細胞浸潤を引き起こした。以上より, ハイドロキシアパタイト及びβ-リン酸三カルシウムはガラス状カーボンと比べて皮膚組織と極めて親和性のよいこと, 及び経皮端子として極めて有効であることが示唆された。